ルノワール展:国立新美術館

国立新美術館で開催中のルノワール展に行ってきました。一昨日から始まって8月まで開催されているのに早速3日目に行ってしまったのは、意外と混雑していないという昨日の情報を見て。少し早起きして開始時間の少し前に到着です。乃木坂駅の6番出口付近に、臨時チケット売り場があって便利!美術館のチケット売り場は、50人超くらいの列が出来ていましたから。私たちは前売チケットがあったのでそのまま入館。ここにも既に150人くらいの入場を待つ列が〜。やっぱり土日は多いですね。4〜6月の土日は高校生入場無料なのだそう。でも、それらしき鑑賞者を私はおみかけしませんでしたね…。入場者数はそれなりですが、混雑ということはなくて、どの絵画もゆっくりじっくりと鑑賞することができました。展示数100点も私的には多すぎず少なすぎず、40分程度で鑑賞し終えて集中力も持続できてちょうど良かったです。入場して、まず、イヤホンガイドをお借りしました。550円。かつてはこういうものは、要らないよね〜派だったのですが、やっぱりガイドはあるに越したことはないです。そこまでお金を切り詰める必要がないのであれば、借りることをオススメします。ガイドはすべての作品にあるわけではなく主要なものに限られていて、イヤホンと一緒に渡されるリストは必需で、陽光の中の裸婦からスタートです。
まさに陽光の感じる温かみあふれる色彩なのですが、人の肌に紫や緑をのせるのは当時としては斬新過ぎたようで、死斑のようだと批判されたりもしたようです。新しいものはなかなか受け入れがたいですもんね…。
ルノワールは人物画家のイメージしかなかったのですが、風景画もありまして、風景画好きなうちの母はこの、草原の坂道、をいたく気に入っていました。
今回の展示の目玉は、作品展のポスターにもなっています、こちらの、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会、です。サイズの大きな作品で、一際目をひきます。この作品に描かれているモデルは、画家などの芸術家やブルジョワから一般労働者までの様々な階層の人々、当時みんなこぞっでモンマルトルにあるダンスホールに繰り出した様子が描かれているのだそうですが、人々の日常を絵にするのはそれまでにはなかったことなのだそう。舞踏会…とあるので屋内の様子と思えなくもないのですが、樹木が描かれていたりしているし、ガイドによるとやっぱりここは屋外なのだそう。空が描かれていないのでわかりにくい部分でもありますが、よくよく作品に見入ると、差し込む陽の光を遮る木々の葉が、描かれている人々やテーブルの上に投影されているのですよね。ガイドを聞きながら、ここが一番時間をかけての鑑賞となりました。作品はルノワールのものだけではなく、オルセー美術館オランジュリー美術館所蔵のほかの芸術家の作品も展示されていて、作風やタッチの違いを見比べることもできます。(俳優であったルノワールの次男の出演映画が壁面に映し出されていたりも)
ルノワールは明るい色調で温かくてほわほわんとした印象の作品が多くて、それはそれで魅力的なのですが、わたしはどちらかというとガッチリした印象の写実的でメリハリのある作風、ドラクロワの作品にあるようなドラマティックな題材が好きなのですが、背景を聞いて好きになってしまった作品がこちらの、田舎のダンス。モデルは、のちにルノワール夫人となるアリーヌ、すごく良い表情でしょう。実はこの作品のモデル候補は当初はアリーヌではなく、都会のダンス、と同じシュザンヌという女性だったそうなのですが、嫉妬したアリーヌが自分をモデルにしてほしいと願って叶ったのだそう。そのせいか、この嬉しさが満ち溢れた表情、素直で可愛らしい素敵な女性でとても魅力的!若く可愛い恋人の嫉妬を解消してあげちゃうルノワールの優しさも素敵だなぁと。見ているだけで幸せな気分が伝わってきて、一番惹かれた作品です。
なので、今回のお土産として迷わずに、田舎のダンス、が描かれたチケットホルダーを購入しました。250円でした。ちなみに裏面は、都会のダンス、です。