5月文楽鑑賞教室『曽根崎心中』鑑賞


大人気の文楽鑑賞教室公演を鑑賞して参りました!いやー、期待以上に楽しかったです。太夫さんと三味線さん、人形遣いさんによる説明は文楽初心者の私にぴったりで、初めて知ったことばかり。日本の三味線には10種類もあって、文楽で使う三味線は義太夫三味線といって最も大きなサイズ、人形の性別が男性が女性かでバチ使いがかわること、人形の感情もバチ使いで奏でること。なによりも人形の首(かしら)は檜で出来ていて、顔の中をくり抜いて通した三味線の紐で顔のパーツの全てが操られていること!人形遣いさんの左手一本でどんな表情も作ってしまうなんて。そして、右手は人形の右腕となり、黒子さんの一人が両脚を操り、一人が遠隔操作で左腕を操る、これが三人遣いと言われ、まさに三位一体ですが、一体の人形に成人男性3人が携わっているわけで、ぎゅうぎゅう。中央に位置する両脚担当の黒子さんが少しでも楽にお仕事できるように、人形遣いさんは歯の高い下駄をはいているとか。司令塔は人形遣いさんで、黒子さんお二人は人形遣いさんの指令で動くのだそう。指令って、もう本当にちょっとした動きで、そんなのでどうして指令内容がわかるの?!ってただただ驚きです。へぇー!がいっぱいでした。普段お話しすることのない三味線さんと人形遣いさんがお話しされるのが珍しく、人形遣いの吉田玉翔さんは、人形の写真をSNSでアップして人形浄瑠璃文楽を広めてほしいと仰っていました。太夫は豊竹希大夫さん、三味線は竹澤團吾さんのご説明でした!
今年の2月に初めて文楽を観た際、一番感動したのは、人形が人間のように見えたこと。全てが人間らしく自然な動き、に見える不思議。しかも一人の脳で操っているのではなく、別々の3人が体のパーツを分担しているのに一糸乱れない!人形2体が寄り添うと、6人がぎゅうぎゅうになってお仕事するわけですが、もう華麗なんですよ、連携っぷりが。それと、実は人形遣いさんと黒子さんたちがしていることが本当に人形自身がやっていることのように見えること。それらに圧倒されてしまい、何度でも見たいと思いました。
今回の曽根崎心中でも、徳兵衛とお初が寄り添ったり抱きかかえたりする場面がいくつかありましたが、2体の人形同士を6人で向かい合わせること自体はどうってことないと思いますが、観客がいるので正面はあけなければなりませんから、もう片方に6人ぎゅうぎゅうで2体の動きを操らなければなりません。人形プラス人形遣いさんと2人の黒子さん、合計8人のお仕事から目が離せない…!それから、終盤に切り裂いた帯を人形が身体に結びつける場面がありましたが、実際には右腕担当の人形遣いさんと左腕担当の黒子さんの連携プレーで結んでいるわけですが、これもまた本当に人形が自分で結んで見える自然さが素晴らしい…!
今日もイヤホンガイドをレンタルしましたが、やっぱり鑑賞には必須だなぁと感じました。とにかく…睡魔に襲われても退治できます。爆。要するに見所を教えてもらえることで、飽きずに演目に集中できるのですよね。
9月の文楽公演は通し狂言で一谷嫩軍記という源平の戦いが題材の名作…らしいのですが、私にはやや難しそう。12月公演の演目発表を楽しみにしています!
後日の新聞に今回の公演のことが掲載されました!(読売新聞)