お伊勢さん参り

3月もまもなく終わりますが、2月のあれこれの話。第一弾は初お伊勢さん参りです。記憶にはないお宮参りに始まって七五三参り、修学旅行、初詣、思い返せば幼少期から色々な寺社には行ってきたのですが、いずれのタイミングでも神社仏閣には関心を持つことなく…。伊勢神宮についても、行くことを決めてから、伊勢神宮の正式名称って神宮である、神社界のトップである、こと知ったくらい。これほど由緒のある神様ですから外宮と内宮、できれば周辺の別宮にもお参りしたい。欲張って周遊したりせずに、伊勢のみ充実させるよう計画しました。その計画内容。2泊とも伊勢で時間は十分すぎるほどあるので、時間がかかる代わりにリーズナブルなぷらっとこだまを利用して名古屋まで、驚くほどお得な伊勢路フリーきっぷを名古屋駅で購入して90分かけて伊勢まで向かうことにしました。もともと夫婦岩を回ってからの伊勢到着を計画していたので、名古屋からは快速みえで良いかなと考えてはいたのですが、ぷらっとこだまは改札を出る必要があるため、JRにこだわる理由はないので近鉄利用も検討。しまかぜも調べてはみたのですが、乗り換え時間がいまいち。快速みえなら乗り換え時間が20分、早すぎず遅すぎず良いかなと。ななよりもリーズナブルだし。そのリーズナブルさに輪をかけてお得感満載の伊勢路フリーきっぷ!問題なのは購入。関東圏に居ながら前もって購入することができず、ぷらっとこだまで改札を出て、名古屋駅みどりの窓口で購入してから乗車しなければならないのですが、果たして20分のあいだでそれが出来るのか。狙う快速みえを逃すと、1時間を名古屋で過ごさなければならず…快速みえって1時間に一本の運行なのです。あまり楽天的にも考えられませんが、それほど神経質にもならず、乗れたらラッキー!ぐらいの気持ちで伊勢路フリーきっぷを購入して快速みえで移動することにしました。そして宿泊先。伊勢に2泊もするとなるとホテルの部屋でだらだら過ごす時間もあるかも知れません。部屋でのんびり快適に過ごせそうなホテルが好ましいです。そんなニーズを満たしているような伊勢神泉という温泉ホテルを発見です。和洋室なる部屋があり、足を伸ばして座ったり寝転んだりもできるし、なによりすごいのが各部屋に露天風呂が標準装備されているという!宿泊者の感想をチェックすると、満足度も総じてかなり高いし、スタッフの応対も素晴らしいようで、気持ちよく2泊できそう。伊勢市駅の目の前で外宮参道に面しているのも魅力です。交通費を抑えた分、宿泊先に費用をかけてもいいなという気持ちもありましたから、ここ以外にどこがありますかという気持ちで決めました!宿泊先が決まれば行動ルートも計画できます。お伊勢さん参りの順序は外宮から内宮ですが、歩いて行ける距離ではありません。バス?レンタサイクル?等々移動手段が悩みどころでしたが、伊勢路フリー切符には6000円分のタクシー券が付いており、必然的にタクシー利用、そうせざるを得ないのですよね。そこまで決まったのであとはもう当日を待つのみ。
当日は余裕を持って東京駅に到着して出発前に東京駅構内で朝食を摂ることに。そこで朝食代わりに、以前から気になっていたキッチンストリートの果実園のあまおうのズコットをいただきたかったのですが、朝早すぎてまだ仕込み中とのこと、あまおうは断念してミックスベリーレアチーズズコットをいただきました。ボリュームにもふんだんに使われたフルーツにも大満足でそれなりのお値段にも納得です。
こだまでの移動も快適で、本を一冊読み終えてうたた寝もできるほどの長時間でも苦にはならず、名古屋駅に到着。ここからダッシュみどりの窓口に。名古屋駅なのでかなりの窓口数がありましたが、それなりの並び人数でヒヤヒヤ。結果的に10分くらいで購入を終えて快速みえに乗車できました。快速みえは2両編成で1両半程度が自由席、残りの0.5両程度が指定席で、平日のお昼でしてすでに自由席の7〜8割は埋まっていて、なんとか座れるような状況でした。ちょっと甘く見てたかな…今回は運よく名古屋駅から座れましたが、次回があるなら少し考えた方が良いかもしれない。
やっと到着した感の大きい二見浦駅で迎えてくれてのは雛人形雛人形ウォーキング…的なイベントをしているようで、街中のあちらこちらで雛人形を見かれました。
駅からは歩いて歩いて、ようやく目的の夫婦岩に到着したものの、ゆっくり見る気が失せてしまうほどの海風の冷たさで、本当に写真を撮った程度…。すっかり空腹で、近くの二見プラザで待望の食事。
新鮮なお刺身の定食には、伊勢海老付きの豪華版もありまして、温かいご飯とふのりのお味噌汁でお腹いっぱいになりました。そして伊勢市駅に戻る形で伊勢路フリーきっぷ片道の利用が終了です。
二見浦駅が無人駅だったので伊勢市駅の立派さにちょっと驚きつつ、宿泊する伊勢神泉は本当に駅の目の前だったり、外宮参道は想像以上に粛としていたり、思ってもいない情報が次々と飛び込んできて伊勢到着早々でだいぶテンションが上がってしまいました。街並みがきれい、道もきれい。伊勢神泉は通りからやや奥まったところにエントランスがあり、そこからエレベーターで5階で上がるとフロント。
エレベーターが開いた瞬間にホテルの方が声かけしてくださり、実はそこは温泉大浴場受付だったのですが、フロントではなく3方向がすべてガラス窓の開放的な広々としたロビーのソファーのひとつに腰掛けるように案内され、そのまま腰掛けたままチェックイン、リゾートホテルのようですね、なかなかのホスピタリティ。ホテルの方も本当に感じがよくて、気持ちよく手続きさせていただきました。ロビーにはウエルカムドリンクならぬ、滞在中ドリンクが朝から深夜まで各種準備されていて、温泉大浴場利用後に喉の渇きを潤したり、翌日朝食前にコーヒーをいただいたり、何度か利用させてもらいました。予約した部屋は和洋室で、ダブルサイズのベッドふたつの洋スペースと畳の和スペースが一室になった造り。ベランダは広々としているけれど目隠し機能装備で片隅に露天風呂!ガラス戸一枚で隔てられたシャワールームから入浴できる仕組みです。
到着日は軽く外宮参道を散策しただけ、少し早めの夕食として名物伊勢うどんを山口屋さんでいただきました。初伊勢うどんなので、一番シンプルなものに。写真の揚げさんは少々分けてもらったものです。コシがないとか味付けの濃さとかまったく気にならず、美味しく完食です。多少の物足りなさを感じて、夜食用にホテルの向かいのお店で松阪牛そぼろの巻き寿司をテイクアウト。
夕飯時の時刻になって温泉大浴場に行くと、女湯は誰も利用していなくて、プールみたいに広い露天風呂を行ったり来たりしながら、次の利用者が入ってくるまで1時間くらい過ごしてしまいました。入浴後はロビーで冷たいりんごジュースをいただき、棒アイスもあって惹かれましたが、部屋に巻き寿司があることを思って自粛。巻き寿司はこのボリュームですが、美味しかったせいかほぼ1人で平らげました…。お腹もいっぱいだし、移動時間が5時間あったことや、二見浦で夫婦岩まで徒歩で往復したせいなのか、夜は早々と眠たくなってぐっすり眠って翌朝は5:25起床です。9時頃から活動開始を予定していたので、朝食を8時に予約してしまい…7時にやることなくなってロビーでコーヒーをいただくことに。外は稜線の朝焼けがきれいで、朝から贅沢な時間を過ごしてしまいました。ホテル一階のレストランでの朝食メニューがまたすごかった。お米は伊勢神宮に奉納されるものと同じ品種を土鍋で炊きたて状態で出してくれるし、もうそれだけでいいのに、先付けだけですでにお腹は満たされていてとてもすべては食べきれない、もったいない!
予定よりも早く9時前に外宮に向かうと、すでに伊勢市駅から参拝客がちらほら。朝の空気がやけに清々しく感じられて、これも近くにパワースポットがあるせいなのかしら?と少し厳かな気分で豊受大神参拝に向かいます。やっぱりスケールが違いました、伊勢神宮。生命力感じる数々の大木を見て何かのパワーに守られているに違いない、ここには神様が住んでいる、素直にそう感じました。そのせいか、人生で初めて御朱印がいただきたい…と感じました。初めてなので、御朱印帳もない状況。神楽殿全体をキョロキョロ探しましたが、御朱印帳あります的な表示がないので、まぁいいか…と。伊勢市駅まで戻り、伊勢路フリーきっぷのタクシー券に交換してもらってそのまま内宮に向かいました。タクシーの運転手さんはとても親切な方で、色々話しかけてくださり、式年遷都の解体後の木材の行方とか、外宮から内宮につながる道路の両脇に並ぶ石灯籠の大中小の違いとか、地元の方ならではの情報を次々と教えてくださいました。そして、世の中に偶然はなくてすべてが必然だというお話。今日私たちが伊勢にいることもタクシーの運転手さんに出会ったことも、すべてが必然だなんて話をしてもらうと、お参りもすごく意味のあることに感じます。そんな楽しい時間はあっという間に過ぎて内宮に到着です。
内宮は外宮とはまた印象が違いました。山々と五十鈴川宇治橋。どこを切り取っても美しくて、いくらでも眺めていられる気分。天照大御神は石段の上にお住まいで、正宮は布で遮られて見えないのですが、お参りしていると時折ふわーっとその布が舞い上がってその姿を肉眼で見ることができて。そのふわーっがものすごく神秘的!神様の存在を感じますよ。
御厩には神様の乗り物であるお馬さんがいまして、すごい愛くるしい…顔もかわいいし、性格が良さそう。うっとおしいはずのギャラリーをずっと見回していて、目が離せない!名残惜しく、次に向かった参集殿で衝撃の出会い、すっかり諦めていた御朱印帳が5種類も販売されており目が離せず。紫色の西陣織の小さいサイズがとても素敵で、お揃いの御朱印帳袋まであるのです。合わせて1800円。御朱印帳を買うなら御朱印帳袋も。切り離すことはできない!でも、私が御朱印をもらうなんて。今、この高揚した気分のせい?悩む悩む。柄にもなかったようで、なんだか意外性が良かったみたい、なんと、買ってあげる、なんてお言葉が。えっ?!と驚きつつも遠慮なく買っていただきました。そんなことでもご利益あるのでしょうか…。では早速御朱印いただいてきます!と御朱印帳を入れた御朱印帳袋だけを持って荷物を参集殿に残して神楽殿までひとっ走り。お願いする寸前で、300円以上…の文字が偶然いや必然で目に入り、また参集殿まで引き返し、御朱印ってお金いるんだよ!?と100円玉の両替をお願いしたら、…当たり前じゃん知らなかったの?!と驚かれ、またひとつ常識が増えました。
このあとは御朱印のために外宮に戻ることになるのですが、ひとまず内宮に来たからには行きたいおかげ横丁おかげ横丁に行くには、五十鈴川に沿ったおはらい町なる鳥居前町を数百メートル歩くのですが、早速、そのおはらい町に入ってすぐにある二光堂寳来亭の松阪牛のステーキ丼をいただきました。お肉は130gとのこと、十分の量だと思います。お腹いっぱいになり、このあとおかげ横丁でもまったく何も食べ歩きできず…。お得感いっぱいの伊勢路フリーきっぷですが、6000円分のタクシー券のうち、2000円まではおかげ横丁で利用できるので、土産物店で主に海産物の購入に充てさせていただきました。実質4000円分がタクシー券となるのですが、伊勢市駅から内宮まで2090円かかったので、往復で4000円分は利用できる計算ですね。内宮からの帰路は外宮までは戻らず途中の徴古館で降ろしてもらいました。
停車と同時にメーターが上がって1410円。徴古館からは外宮までは三交バスを利用したので、結局タクシー券は500円余らせてしまいましたが全く損はしておりません。伊勢路フリーきっぷには本当にお世話になりました。徴古館の存在は当日現地で初めて知ったのですが、こんなに素敵で立派な博物館です。伊勢神宮についてさらに学んだあと、御朱印をいただくために本日2回目の外宮へ。お参りせずに神楽殿まで往復したあとは、駐車場側の北御門からまっすぐ伸びる神路通りの先にある別宮月夜見宮に向かいました。神路通りは閑静な住宅街の真ん中を通っていて、人の通りも車の通りもほとんどないのですが、通りの中央は神様用なので、避けて左端を歩くものなのだそう。他人のお家の前をぴったり通るのは少し気が引けますが、こちらのみなさん慣れているでしょうから…。どちらも一般の御宅なのですが、通行時に見える場所に、神路通、と書かれた札を出されているのが印象的でした。
小学校の前を通過して信号も横断歩道もない道路の向こう側が月夜見宮。どうやって渡ろうか…車が来ない時を見計らって渡るしかありません、いいのかな〜?月夜見宮到着、こちらでも御朱印をいただきました。金額の提示がないので、内宮や外宮と同じく300円納めました。
そしてまだ日も明るいうちにそのまま歩いて伊勢神泉まで戻り、この日はせっかくの部屋備え付け露天風呂を満喫することにして、1時間以上湯船で寛いでしまいました。明るい時間からぼーっと何も考えずにお湯に浸かって、なんとも贅沢。
お腹もさほど空かず、あるものをちょこちょこつまんで、この日も疲れのせいか9時過ぎに眠たくなって消灯!翌朝は9時前にチェックアウトすべく朝食も一番早い7時で予約しており、起床はやっぱり5時半、早い!朝食会場は前日と同じく一階の伊せ吟、前日と少し違う内容でしたが、変わらず土鍋の炊きたてごはん、お腹いっぱいになったのは同じです。
帰路も手ぶらに近い状態で移動したかったので、荷物を梱包して郵便局に差し出すことに。8時半くらいにはチェックアウトして外宮前の郵便局に向かうとまだまだ営業時間前…にも関わらず、配送受付してくださるという、まさに神対応!そのあとに斜め向かいの赤福さんも営業時間前でしたが販売していただきました。…伊勢市駅にも赤福販売所があり、早朝から営業開始しているので、こちらで購入しても良かったですね…すみません…。
平日9時過ぎの名古屋行き快速みえは、伊勢市駅では5割程度の乗車率でしたがみるみる増えて名古屋駅までは通路が乗客で埋まるほどに。名古屋駅で地下鉄に乗り換えて熱田神宮に向かいました。
熱田神宮でも木々からパワーを感じました。やっぱり神様の存在のおかげなのではないかしらと。鳥居をくぐる前のご挨拶や二拝ニ拍手一拝にもすっかり慣れて初めての気恥ずかしさもこの頃にはすっかり無くなりました。御手洗の方法にも迷いはなくなったし、初詣に限らず、機会があれば日頃から参拝したいなぁという気持ちも芽生え。無事に御朱印もいただき、熱田神宮内の博物館にも入館したり、ずいぶんゆっくりしてしまったあとに、少し遅めのお昼ご飯。このために帰路に熱田神宮参拝をねじ込んだと言っても過言ではない、あつた蓬莱軒さん!平日だしと思って甘く考えておりました、1時間20分待ち。むむ、そこまで待ってからの食事は、予約済みの新幹線に間に合う気がしません。諦めて、いや、諦めないで、矢場の松坂屋にある蓬莱軒の支店に向かいました。そこも既に先客50名くらいの列ができていて敗北は明らか。でも食べたいのよ、蓬莱軒。いや、ひつまぶしなら蓬莱軒でなくても白○さんでもいいけれど、また移動してまた入店できなかったら?今から30分くらいで入店できないと新幹線乗車に不安が。恐る恐るお店の方に待ち時間をお聞きすると、30分くらいですね、と。…本当に〜〜〜?!信じるよ、信じるからね、誤差は10分までなら許容するよ!ということで、待つこと30分、快進撃さながら驚異の回転率で本当に入店できたのです。さすが店員さんの目に狂いはない!
諦めかけた蓬莱軒のひつまぶし〜やっぱり美味しい…ちょっとタレが多かったけれど。大満足で名古屋駅まで徒歩で移動するくらいの勢いでしたが栄で地下に吸い込まれて、だいぶ余裕をもって新幹線改札を通過し、なにひとつ慌てることなく順調に帰宅したのでした。これも神様のおかげという気がしてなりません。今回の旅で手にした御朱印帳、新たな人生の楽しみ方が増えた気がしています。